見守りノート / 続ける工夫
続ける工夫「24時間」ではなく「暦の日」で数えることにした
このノートはふだん、公的な統計を読む場所です。今回は少し毛色が変わって、わたしたちが作っているアプリの中身の話をします。調査やデータの話ではなく、自分たちの設計の話です。
しくみは、とても単純です
いきとーよは、毎朝9時に一度だけ動きます。利用者が最後にアプリを開いた日を見て、設定した日数のあいだ一度も開かれていなければ、登録された家族や知人に「連絡がありません」と知らせる。それだけです。
問題は、その「何日」をどう数えるかでした。最初は、時間で数えていました。24時間で1日、48時間で2日。プログラムとしては、これがいちばん素直な書き方です。
毎日使っている人の家族に、通知が飛んだ
ところが、ほとんど毎日アプリを開いている利用者の家族に、通知が届いてしまいました。
原因は、暮らしのリズムのゆらぎでした。ある晩は夜更かしをして深夜0時11分にアプリを開く。翌日は朝9時30分に開く。カレンダーの上では、連続した2日のどちらもきちんと開いています。けれども時間で測ると、そのあいだは約33時間。「1日以上あいた」と判定されてしまいます。
安否を知らせるしくみにとって、これはいちばん避けたい種類の失敗です。何も起きていないのに家族を驚かせてしまうことが続けば、やがて知らせそのものが軽く扱われます。本当に必要なときに「また誤報だろう」と思われてしまっては、意味がありません。
いまは、日付で数えています
そこで、時間ではなく日本時間の日付で数えるように変えました。最後に開いた日の日付と今日の日付を比べて、そのあいだにまるまる一日、一度も開かれなかった日が何日あるかを数えます。
この数え方だと、毎日どこかで一度でも開いていれば、それが深夜でも早朝でも、欠けた日は0日です。時刻は関係ありません。
| 火曜 | 欠けた日 1日目 |
| 水曜 | 欠けた日 2日目 |
| 木曜 9時 | 1回目の知らせ |
| 金曜 9時 | 2回目(最後)の知らせ |
アプリの設定画面には「2日間確認がないと緊急連絡先の方に通知されます」と書いてあります。その一文が、そのまま「まるまる2日間、一度も開かれなかったら」という意味になる。書いてあることと実際の動きがずれていないこと自体が、安心のうちだと考えています。
引き換えにしたもの
この変更で、判定はゆるい方向にずれました。時間で測っていたころより、知らせが出るのが遅くなる場合があります。それは小さな代償ではありません。見守りの価値は、気づかれるまでの時間を短くできるところにあるからです。
それでも暦の日を選んだのは、二つの失敗の重さが同じではないと考えたからです。少し遅れて知らせることと、何も起きていないのに家族を驚かせること。後者が重なると、しくみそのものが信じられなくなり、結果として誰も気づかなくなります。遅れは一度きりの損失ですが、信頼の目減りは積み重なります。
毎日の暮らしには幅があります。早く寝る日もあれば、眠れない夜もある。その幅に、人のほうが合わせるのではなく、しくみのほうが合わせるべきだと考えています。
出典
- いきとーよ(Ekytoyo)公式サイト・運営 Yonaga合同会社
ekytoyo.app
最終更新: 2026年9月10日。統計は公表年を明記し、更新があり次第見直します。数値は原典をご確認ください。