見守りノート / ひとり暮らしと安全
ひとり暮らしと安全熱中症で亡くなる場所は、9割が「家の中」
「熱中症」と聞くと、炎天下のスポーツや屋外の作業を思い浮かべるかもしれません。でも、亡くなる場所の多くは、意外にも「家の中」です。
亡くなる場所の約9割は、「家の中」
東京都監察医務院によると、2025年の夏、東京23区で熱中症により亡くなった人は193人。そのうち屋内が181人(約94%)を占め、屋外はわずか12人でした。猛暑だった前年(2024年)はさらに多く、306人のうち291人(約95%)が屋内です。熱中症で命を落とす場所は、屋外よりもむしろ家の中なのです。
これは東京にかぎった話ではありません。全国でも、2025年に熱中症で救急搬送された人は10万510人と過去最多を記録し、その発生場所として最も多かったのは「住居」(約38%)でした(消防庁)。搬送された人の6割近く(約57%)は、65歳以上の高齢者です。
エアコンは、止まっていた
屋内で亡くなった181人のエアコンの状況を見ると、設置されていたのに使っていなかった人が121人。設置そのものがなかった23人と合わせると、屋内で亡くなった人の約8割で、エアコンが動いていませんでした。
| 使っていた | 28人 |
| 設置あり・使わず | 121人 |
| 設置なし | 23人 |
| 不明 | 9人 |
そして屋内で亡くなった181人のうち、152人(約84%)がひとり暮らしでした。年を重ねると、暑さやのどの渇きを感じにくくなることが知られています。そばに「今日は危ないよ、つけようね」と声をかける人がいれば、防げた例もあったのかもしれません。
2026年の夏も、同じ形でした
東京都監察医務院の速報値によると、2026年6月から8月30日までに東京23区で熱中症により亡くなった人は126人。そのうち屋内が119人(約94%)で、前年とほぼ同じ割合です。屋内で亡くなった119人のうち、エアコンがあったのに使っていなかった人が82人、設置そのものがなかった人が18人。使っていた人は19人でした。
全国でも、2026年7月に熱中症で救急搬送された人は4万1,174人で、7月としては調査を開始した2008年以降で3番目に多い水準です。発生場所は「住居」が41.7%と最も多く、搬送された人の60.2%が高齢者でした。消防庁は「ご自身だけでなく、周りの人や離れて暮らすご家族へも熱中症予防対策を行うよう呼び掛け・声掛けをお願いします」と結んでいます。
※ 2026年の東京23区の数値は速報値のため、後日修正されることがあります。
夏は、いつも以上に「気にかけ合う」
熱中症は、屋内で、ひとりで、静かに進みます。だからこそ夏は、いつも以上に連絡を取り合う意味があります。特別なことは要りません。「暑いね、大丈夫?」の一言や、いつもの合図が届かない日に「様子を見に行こう」と思えること。その小さな習慣が、家の中の異変に早く気づくきっかけになります。
エアコンをつける、水分をとる。当たり前のようでいて、ひとりだと後回しになりがちです。誰かが気にかけているという安心が、その当たり前を続ける力になるのかもしれません。
出典
- 東京都監察医務院『令和7年 夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)】』2025年
metro.tokyo.lg.jp - 総務省消防庁『令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況』2025年
fdma.go.jp(PDF) - 東京都監察医務院『令和6年 夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)】』
metro.tokyo.lg.jp - 東京都監察医務院『令和8年 熱中症の死亡者数(速報値)』2026年8月30日現在
metro.tokyo.lg.jp - 総務省消防庁『令和8年7月の熱中症による救急搬送状況』2026年8月25日
fdma.go.jp(PDF)
最終更新: 2026年9月10日。統計は公表年を明記し、更新があり次第見直します。数値は原典をご確認ください。